外科病棟を舞台に院内感染か 和歌山で経路調査始まる

 勤務医や受診患者が新型コロナウイルスに相次いで感染した済生会有田病院(和歌山県湯浅町)。15日、さらに勤務医の同僚とその妻、入院患者の計3人も感染が確認された。仁坂吉伸知事は院内感染の可能性が高いことを認めた。

拡大する新型コロナウイルスの感染者について会見する和歌山県の仁坂吉伸知事(左)と野尻孝子・福祉保健部技監=2020年2月15日午後3時55分、和歌山県庁、細川卓撮影

 「少なくとも外科にいた人、外科の患者さんが肺炎になっている」。仁坂知事は「(感染)原因は分からない」と前置きしつつ病院の外科病棟で感染した可能性を指摘し、国立感染症研究所などが院内の感染経路の調査に入ったことを明らかにした。

 感染した2人の外科医が勤務していた外科病棟(35床)は3階にある。感染が15日に確認された60代男性は外科の患者で、この病棟に入院中だった。男性は1月28日と31日に受診し、2人の外科医のいずれかと濃厚接触があったとみられている。

拡大する2人の医師と入院患者らの新型コロナウイルス感染が確認された済生会有田病院では、院内の窓から外の様子をうかがう人の姿もあった=2020年2月15日午後5時57分、和歌山県湯浅町、細川卓撮影

 外科病棟には25人が入院している。うち症状がある3人を調べ、この男性1人が陽性だったという。

 県によると、医師や看護師らは診療当時、マスクの着用や手のアルコール消毒はしていたが、ゴーグルなどの特別な装備はしていなかった。今後の院内感染の対策について、知事は「徹底的に(感染の原因を)クリアにして、安心できる病院にしなければいけない」と話した。

拡大する資料を確認しながら質問に答える和歌山県の仁坂吉伸知事(左)と野尻孝子・福祉保健部技監=2020年2月15日午後3時34分、和歌山県庁、細川卓撮影

 一方で、日常の生活で広がる市中感染について、知事は「今日時点では大丈夫」と否定的な考えを示した。

 県は現在、肺炎患者の中で原因…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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