三重県桑名市の多度大社で5月にあった県無形民俗文化財「上げ馬神事」について、上げ馬を奉納する氏子組織や大社に対し、県が近く口頭で改善を指導する方針を固めたことが、県への取材でわかった。法被やロープで馬をたたくなどの行為を複数回確認したといい、県は動物愛護管理法に基づき、「虐待とまでは言いきれないが不適切」と判断した。
例年5月4、5日に神事があり、今年はコロナ禍を経て4年ぶりに開かれた。武者姿の若者を乗せた馬が急坂を駆け上がり、頂上にある高さ1・5~2メートル程度の土壁を乗り越えられるかどうかで、農作物の出来を占う。約700年前の南北朝時代が起源と伝わり、1978年に県無形民俗文化財に指定された。
今年は、氏子組織「御厨(みくりや)」の6地区の馬がそれぞれ3回ずつ計18回挑んだ。うち成功とされたのは、人の手によって壁の上に引っ張り上げられた3頭のみだった。
県が問題視したのは、坂を駆け上がる馬を鼓舞するため、地区の人たちが出走前に法被やロープでたたいたり法被を振り回したりした行為。大声を出す行為もあったという。県職員らが監視していて目撃した。
県や市、御厨総代会などでつ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル