夜の店のコロナ対策15項目 「達成率最低」の項目は…

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、「接待を伴う飲食店」を対象に設けたガイドラインが、どれだけ守られているのか、長崎県や各市町の職員が県内の「夜の店」を訪ねて確認した。15項目のうち10項目で達成率は9割を超えたが、中には、7割に満たない「難関」の項目も――。

 リストは、全国社交飲食業生活衛生同業組合連合会(東京都港区)が作ったガイドラインから、県が特に15項目を抜き出したもの。営業の届け出があるキャバレーやナイトクラブに対し、順守を呼びかけている。

 8月、県や市町の職員が個別訪問して達成率を調べたところ、全218店舗の約7割にあたる146店舗から回答があった。「適切な換気」や「消毒液の設置」、「グラスの回し飲みをさせない」など七つの項目で、達成率は95%以上。15項目の達成率を平均しても9割に上った。県は「積極的に対策を取ってくれている」と受け止める。

 一方、達成率が66%と、15項目で最低だったのが、カラオケがある店での「歌う際はマスクの着用をお願いしている」という項目だ。

 訳を聞こうと、長崎市の繁華街・銅座のスナックを訪ねた。その道40年になるママ(71)は「自分の店から感染者を出したくない」。コロナ関係のニュースは欠かさずチェック。店を訪れた客にはすぐに除菌ジェルを差し出している。10万円の特別定額給付金で空気清浄機の買い替えも検討中だ。

 それでもカラオケ時のマスクは呼びかけていない。

 小さな店はコロナ禍でも和気あいあいとし、マイクは自然とカウンターを行き来する。リラックスして、人生の反省会ができるような場所。それが店のモットーだ。できるなら、客にとやかく言いたくない。「いい気分でマイクを握った人に『マスクして!』って。お店の空気が壊れちゃうもんね」

 県生活衛生課の担当者も「難しいのはわかります……」と話す。一方で、「熱唱すればするほど、飛沫(ひまつ)感染のリスクは高くなる」とも指摘。スペースが狭い店も多いため、「十分に対策を取ってほしい」と今後も呼びかけていくという。(横山輝)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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