夜中のもしもし?届いた魚 天海祐希さんのステイホーム

 「この人がいれば、大丈夫」。職場や家庭、地域に、いるだけで安心感を与えてくれる人はいないだろうか。いつも周りを気にかけ、自分のことは後回し。天海祐希さんもきっと、そんな一人ではないかと思う。 来年公開の映画「老後の資金がありません!」で演じた主婦・篤子も、自分のことは二の次で、家族の危機に立ち向かう。松重豊さん演じる会社員の夫、フリーターの娘、大学4年の息子と暮らすパート勤めの主婦。ブランドバッグはいつもウィンドーショッピングで素通りし、家計をやりくりしながら、栄養たっぷりの節約メニュー「豚もやし鍋」を笑顔で家族に振る舞い、「2千万円は必要」と言われる老後資金をこつこつためている。

 ところが、その大事な老後資金が、想定外の出来事で飛ぶように消えていく。老舗和菓子屋を営んでいた義父の葬儀。娘は、売れないバンドマンと授かり婚。夫婦そろってのリストラに、草笛光子さん演じるセレブ義母との同居――。相次ぐアクシデントにため息をつきつつ、相手と交渉し、説得し、必死に事態を打開しようとする篤子の姿はただただ頼もしい。

 そんな篤子と天海さんは、金銭感覚も似ているところがありそうだ。「熱心に働く両親の姿や、穴の空いた靴下を繕い、大事に使う明治生まれの祖母を見てきたので、無駄遣いはしちゃいけないという思いが今もあります。子どもの頃、父親と買い物に行き、『好きな物を買っていいよ』と言われて、『あれも、これもいいな』とは思うんですけど、言えなかった。そのまま大人になっちゃったというか」

 老後資金2千万円問題についても「初めて数字を見た時は驚きました。結構な額だなと。『老後に備えなきゃ』と漠然と思ってはいたものの、体力や気力、生きがいや仕事をどうするとか、数値化されないものをイメージしていたせいかもしれません」と語る。

「ま、いっか、一人だし」意外と普段通りだった日々

 お金は、ないよりはあった方が…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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