夜間に車の前照灯を上向きに点灯させる「ハイビーム」を使用している車の割合が、栃木県内では全体の13・9%にとどまっていることが、県警が今年10月に実施した調査で分かった。ハイビームは通常点灯に比べ遠くを照らすことができることから事故抑止につながるとされており、県警はハイビーム使用を訴えるCMを製作、放映を始めた。 ハイビームは平成29年に、国家公安委員会が定める「交通の方法に関する教則」で夜間の原則使用が明記された。約100メートル先まで照らすことができ、通常点灯の約40メートル先に比べて早く横断歩行者を発見できるなど、事故抑止効果が高いとされる。実際に、昨年までの過去5年間に県内で夜間に車にはねられ死亡した歩行者118人のうち、車側がハイビームを使用していた例はゼロだった。 県警は同年以降、「ハイビーム大作戦」と題し、ポスター、チラシを作製。効果を実感してもらうため、ドライバー向けの「ナイトスクール」などを実施してきたが使用率は伸び悩んでいる。 同年4月から原則年2回、夜間の事故が多い県内の7路線8カ所で調査を行っているが、今年10月の調査でも使用率はわずか13・9%。初回調査時の3・9%に比べれば10ポイント増加しているものの、低水準が続いている。 このため、県警は状況打開に向けて「未来を照らすハイビーム」と題したCMを製作した。走行中のドライバーが対向車が通り過ぎた後にハイビームに切り替え、横断歩道を渡る歩行者を早めに発見。事故を回避できたため、自宅で待つ子供たちに無事に会えたという内容だ。 今月中旬からとちぎテレビで放映され、県警のホームページでも公開されている。県警は「ハイビームにすれば事故は減る。より啓発を強化していきたい」としており、今後、県内の各ケーブルテレビ局や街頭ビジョンなどでも放映を検討している。(根本和哉)
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