7年前、巨木の合間から木漏れ日が差し込む戸越八幡神社(東京都品川区)の境内のベンチに腰掛け、ぼんやりとしていると、声をかけられた。
「ここで働きませんか」
神職の大石のりこさん(69)だった。3年前に近所に越してきて以来、あいさつを交わす仲だ。
人間関係に悩み、13年年間勤めた会社をやめたばかりだった。週5回、受付の仕事を始めた。
神社には、何匹かの猫がすみ着いていた。ひときわ人なつっこいのが、三毛猫のみーちゃん。20年近く前、近所の人が置いていったという。参拝客に近づいて体をなでさせたり、近所の人の手からおやつを食べたり。初詣客の列が長くなると、まるであいさつするように人々の足元を縫って歩く。
御朱印「手伝ってくれない?」
元々、大の猫好き。紙と鉛筆があればおとなしい子どもで、猫の絵ばかり描いていた。
いつのまにか、みーちゃんの…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル