安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件は、発生直後の情報が乏しい中でも、容疑者について根拠不明の差別的な情報がネット上を駆け巡った。差別を助長しかねないような情報に、どう向き合うべきか。人権や差別などの問題を国内外で取材するフォトジャーナリストの安田菜津紀さん(35)に聞いた。
――事件をどうとらえていますか。
「さまざまな問題を浮き彫りにしたと思います。信徒を親に持つ『宗教2世』、政治と特定の宗教団体との関係、セーフティーネットの脆弱(ぜいじゃく)さ……。容疑者のような立場の人が『助けて』と言える構造が社会にあったのかも、見つめ直さないといけません。一方、私が事件直後に瞬間的に思ったのは『ネット上に差別的な書き込みがされるだろう』ということでした」
量産され続けるデマ 平穏な日常奪う可能性
――安田さんは、父親が在日…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル