大分県日田市三本松のガソリンスタンド「吉冨産業 三本松給油所」の休憩・待合所にある「駄菓子屋」が人気だ。ガソリンスタンドの中に駄菓子が並ぶ珍しさと懐かしさが、子どもだけでなく大人も引きつけ、地域を見守る場所としても機能し始めている。
「こんちわぁ!」。今月中旬の夕方、小学生のきょうだい2人が百円玉を握りしめてGSにやって来た。「今日は、なん買うと」。専務の吉冨節次さん(59)やスタンド従業員が気さくに話し掛け、きょうだいは部屋いっぱいに並ぶ菓子棚の間を何度も巡って品定めした。
子どもだけで安心して来られる駄菓子屋が近辺に少なくなったことから昨夏、休憩・待合所(約50平方メートル)の一角に駄菓子を置いたのが始まり。近所の子どもが集い、給油に来た大人たちも「懐かしい」と訪れるようになった。駄菓子購入を目的に訪れる大人もいて、子ども会の行事向けに菓子の詰め合わせセットを提供することもある。客のリクエストに応えているうち、当初は30ほどだった菓子の種類は400ほどに増え、今では部屋全体に駄菓子やおもちゃが並ぶ。
地域の子どもを見守る役目も果たしている。吉冨さんや従業員は、知り合いになった子どもが登下校するときに道で会えば、手を振って積極的にあいさつを交わすようになった。最近、道で転んでけがをした子どもがスタンドに駆け込んできて手当てした。吉冨さんは「顔見知りになると、子どもも頼ってきやすい。このまま長く続けていきたいね」と話した。吉冨産業=0973(23)3168。
西日本新聞社
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