聞き手・中井なつみ
新型コロナウイルス対策として、日常生活でマスクを着用するようになって約3年。政府は3月13日以降の着用ルールを緩和する方針を示しました。札幌市にある認定こども園「手稲やまなみ子ども園」は、すでに1月から職員も含めた着用を「選択制」に変更しています。その背景や保育の現状について、大谷在我(とうが)園長に話を聞きました。
――1月から、保育士や職員のマスク着用を「任意」にするという方針にした理由は。
これまでも、職員から「息苦しくて、保育活動が十分にできない」「子どもとのコミュニケーションに壁を感じてしまう」といった声があがっていました。
コロナ禍の当初から、感染症対策のためにマスク着用は徹底してきましたが、マスクを外した「表情」を何年も見せていないことも当たり前になってしまいました。
本来、子どもたちが社会性を身につけ、成長していく上では、顔や表情の認知はとても重要です。やはり、保育園という場では、そろそろ言葉やジェスチャーとともに、マスクを外した「表情」全体で思いや気持ちを伝えていく関わりが大切だと考えました。
そのために、昨年末ごろから職員の間で検討を始め、「リスクが低いと考えられる場面では、外してもよいのではないか」「万全の体調であるという前提があれば、リスクは抑えられるのではないか」という意見にまとまりました。保護者の方には、こうした経緯も含め、手紙で知らせています。
――マスクをしていないこと…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル