故人が亡くなった後、初めて迎えるお盆「初盆」(新盆)。大分県内ではこの初盆で缶詰やコーヒー、のりなどを詰めた箱を造花で飾った、華やかで巨大な「籠盛(かごもり)」が仏前に並べられることが多い。籠盛りといえば果物やお菓子のイメージが強い県外の人には、なじみがない風習だ。派手で日持ちする中身の「籠盛」はいつごろからあり、なぜ大分に根付いたのか。老舗菓子店「菊家」(大分県由布市)で30年以上、籠盛販売に携わってきた営業本部長に話を聞いた。
「ちょっとへんてこですよね」。菊家の営業本部長・松本邦彦さん(64)に籠盛について尋ねると、笑いながらこう返ってきた。
籠盛は組み立て式で、脚の部分を含めると高さは1メートル以上。商品が詰まった箱の下には灯籠(とうろう)やランプが置かれる。一つ約1万~3万円で、故人に縁がある人が初盆を迎える家庭に送り、受け取った人が組み立てて仏前に並べる。お盆が終わった後は、集まった人で箱の中のものを分け合うこともあるという。
初盆でこうした籠盛を飾る風習の起源ははっきりしない。ただ、松本さんによると、大分市の百貨店「トキハ」が関わっているという。
約40年前、菊家では手焼きせ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル