大分県日田市や玖珠、九重町では河川の氾濫や土砂崩れなどが相次いだ。九州豪雨から3年を迎えたばかりの同市。降り続く雨に市民たちは「早くやんでほしい」と祈るように鈍色の空を見上げた。 【写真】崩れてきた土砂によって入り口がふさがれたトンネル 同市日高では近くの玖珠川があふれ、住居などが浸水。自宅兼倉庫に取り残された80代男性と70代女性の夫婦が救助された。日田署によると、午前7時50分ごろ夫婦の親戚から110番があった。水の流れが激しく救出は難航したが、水が引いた同9時20分ごろに署員らが救出した。命に別状はないという。 同市中津江村栃野では午前6時すぎ、山の斜面が大規模に崩落。市中津江振興局などによると、現場周辺には民家や特別養護老人ホームがあるが、避難していて無事だったという。 同市大鶴地区の大鶴公民館には多くの住民が身を寄せた。上宮町自治会長の坂本義紀さん(71)によると、新型コロナウイルスの感染防止のため、別の避難所や親類宅に向かったり、駐車場で車中泊をしたりする住民もいたという。
九州豪雨で大きな被害を受けた同町の住民は大雨のたびにいち早く避難しており、今回もスムーズに避難所生活ができているという。ただ互いに気を使うこともあり、坂本さんは「みんな早く自宅に帰りたがっている。もう一晩の辛抱だろう」と話した。 九重町では町内を流れる野上川が氾濫。濁流でJR久大線の鉄橋が流されたほか、川岸にある同町野上の民家は基礎がえぐられて崩落した。同町粟野では土砂崩れが発生し、金山集会所が押し流された。人的被害は確認されていない。 山間部にある同町右田の甘川水(あまがせ)地区では、集落に通じる道路が雨で断たれて孤立。6世帯15人の住民は警察や消防などによって助け出された。住民の大工武石勤一さん(61)によると、孤立の一報を受けた行政サイドはアルミのはしごなどを使って住民を集落外まで導き、バスに乗せて避難所まで運んだという。「雨水で川ができて道が寸断されていた。信じられないくらいの雨量だった」と話し、救助に感謝した。
日田市天瀬町では7日午前7時ごろ、玖珠川に架かる新天瀬橋(長さ約63メートル、幅4メートル)が流失していると、市天瀬振興局に連絡があった。橋は約100メートル下流で見つかった。けが人はなかった。橋の流失で3世帯5人が孤立状態となった。 同市天瀬町の慈恩の滝近くの国道210号では直径約5メートル、深さ約8メートルにわたり陥没した。 (中山雄介、笠原和香子、鬼塚淳乃介、稲田二郎)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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