大分県警は16日、同県別府市の浄水場設備工事に絡んで、業者に便宜を図った見返りに現金100万円を受け取ったとして、収賄の疑いで元同市水道局工務課長の藤内泰弘容疑者(60)=同市内竈=を、贈賄の疑いで水道設備会社「東伸エンジニアリング」(東京)の元役員江崎広海容疑者(72)=福岡県福津市渡=を逮捕した。江崎容疑者については健康上の理由で釈放し、任意捜査に切り替えた。 藤内容疑者の逮捕容疑は昨年2月、朝見浄水場の機械設備更新工事の入札で、東伸エンジニアリングが有利になるよう取り計らった見返りに、江崎容疑者から現金100万円を受け取った疑い。県警は2人の認否を明らかにしていない。 県警によると、藤内容疑者は同社が落札しやすいよう、設計会社にポンプなどの性能や規格について指示した疑いがある。機械設備の仕様に関して、実質的な決定権限があったという。 市によると、工事は昨年1月17日に公示され、2社が競争入札に参加。同2月8日に東伸エンジニアリングが1億7937万円で落札した。 藤内容疑者は今年6月末に市役所を退職。7月から同社に勤務している。 (井中恵仁、稲田二郎)
別府市に衝撃走る 収賄容疑で元課長逮捕 市役所を捜索
別府市役所に16日、衝撃が走った。浄水場の設備の発注を巡って賄賂を受け取った収賄容疑で、元水道局工務課長が県警に逮捕された。贈賄容疑で元役員が逮捕された業者は、この浄水場の維持管理を請け負っており、関係者は「浄水場関係の業者は限られている。市と近くなってしまう」と内情を漏らす。果たして一部職員の不正で、公共工事がゆがめられていたのか-。県警は同日夕、市上下水道局などに家宅捜索に入り、資料を押収。事件の全容解明に乗り出した。 逮捕されたのは市水道局工務課長だった藤内泰弘容疑者(60)。市によると、藤内容疑者は1980年に水道局の専門職員として入庁。電気設備の維持管理などに携わり、2018年から2年間は工務課長を務めた。事件の舞台となった朝見浄水場の機械設備の入札があった昨年2月には課長を務めていた。 朝見浄水場は別府市内の7割の家庭に水を供給。元役員が勤めていた東伸エンジニアリングは2015年度から5年間、朝見浄水場の維持管理の委託を受け、今年も5年契約を更新したばかりだった。 市関係者は「業者は限られているから顔見知りになる。そんな中で藤内容疑者は取り込まれたのかも」と話した。藤内容疑者は帰宅時にパチンコに行くなどしていたというが、元同僚の一人は「スマートで、静かな人。ギャンブルで身を持ち崩すような人ではなく、信じられない」と言葉を失った。 (稲田二郎)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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