大分空港(大分県国東市)などを発着点に、航空機からの人工衛星打ち上げを目指してきた米企業ヴァージン・オービットが、米国沖の太平洋上で10基の超小型衛星の打ち上げ試験に成功した。大分発着の打ち上げは2022年に予定されており、大分県は関係省庁との間で国内法の確認や調整を急いでいる。
滑走路の長さやノウハウ評価
広瀬勝貞知事は打ち上げ成功を受けて、「(22年予定の)大分からの打ち上げに弾みがつく結果。引き続き取り組みを進めて参りたい」との談話を発表した。
ヴァージン・オービットは、ボーイング747―400型を改造した航空機を使い、日本時間の18日に試験を行った。米カリフォルニア州のチャンネル諸島沖合の太平洋上で、機体から切り離された小型ロケットは自由落下した後に点火。向きを変えて宇宙空間に飛び出し、米航空宇宙局(NASA)から委託を受けた超小型人工衛星を軌道に乗せた。航空機からの空中発射による打ち上げ成功は世界初という。
大分空港は3千メートル級の滑走路があることに加え、県内企業が連携して人工衛星開発に携わった経験があるなど宇宙産業の発展が見込める点などが評価され、昨年春に拠点の一つに選ばれた。
今後、ロケットを整備したり衛星を搭載したりする施設や、燃料関係の設備などを空港と周辺地に整備する必要がある。県は法令上の課題解決などを支援し、大分空港を「宇宙港」にすることで県内企業の運用面での参画や宇宙関連産業の活性化を期待している。(寿柳聡)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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