日本大学の学生新聞が1月号で、同大の前理事長が起訴されるなどした一連の不祥事を取り上げた。1、2面のほとんどを使い、緊急連載や解説記事を盛り込んだ力作だ。ただ、紙面掲載に至るまで、学生たちの心は揺れた。
日大生が編集する「日本大学新聞」の1418号(1月20日付)。全6ページのうち2ページに厳しい見出しが並んだ。
1面「再生への苦闘 疑念突き付けられた『自浄能力』」
2面「専横招いた組織風土にこそメスを」
田中英寿・前理事長(75)らが逮捕された事件の経緯や再発防止に向けた大学の動きを詳報。解説記事では大学が昨年12月に出した事件の中間報告も批判した。
「なぜ田中前理事長がそれほどの威光を持つようになったのかという最大の疑問には十分に答えていない」「前理事長が(中略)影響力を増大させた経緯だけでなく、その過程で前理事長夫人ら学外関係者が大学人事にまで干渉するようになった背景までも、本学自身の手でぜひ解明し、白日の下にさらす必要があるのではないか」
ここに至るまで、学生記者たちは悩んだ。
12月号の校了が迫っていた…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル