桑原紀彦 上野創
大学入学共通テストは15日、数学と理科があり、2日間の日程を終えた。大学入試センターによると、東京都内の試験会場1カ所で監督者らによる数学の時間管理のミスがあり、70人が再試験の対象となった。共通テストの平均点の中間集計は18日に発表される。
センターによると、東京大教養学部(東京都目黒区)の会場で、数学Ⅰ、数学Ⅰ・Aの試験時間が1分短くなった。監督者は予定より3分遅れの午前11時23分から開始したつもりだったが、受験生3人から「(実際には24分から始まり)時間が短いのでは」などと指摘があった。調べたところ開始時刻の確認があいまいだった。この部屋で受けた70人は、希望すれば29日の再試験を受けられる。
物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎では、日本獣医生命科学大(武蔵野市)の会場で受ける予定だった1人が、電車の遅れにより別室で20分繰り下げて受験した。
前身の大学入試センター試験時代も含め、昨年に平均点が過去最低となった数学Ⅰと数学Ⅰ・A。15日午後6時、全科目の試験を終えて東京海洋大越中島キャンパス(江東区)の会場から出てきた都立高3年の男子生徒は「去年よりは易しかったけど読む分量が多いのは(昨年と)同じで、結構きつかった」と話した。
代々木ゼミナールは全体として「昨年よりはやや解きやすくはなっている」とし、問題量も「計算量は昨年より少ないため、思考に費やすことができる時間は幾分(いくぶん)増加したと思われる」と講評。ただ、「分量は少ないとはいえず、煩雑な設定もあるので、時間内に解答するにはやや厳しい内容であった」とした。
平均点が過去最低だった昨年の数学Ⅰと数学Ⅰ・Aについては、大学入試センターの外部評価分科会が昨年6月、「あまり適切ではない」と評価し、「計算量の多い設問も散見され、解答時間に余裕がなくなった受験者が多いことが推察される」としていた。(桑原紀彦 上野創)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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