鹿児島県大崎町で1979年、男性(当時42)の遺体が見つかった「大崎事件」で、殺人罪などで約10年間服役した義姉の原口アヤ子さん(92)らの弁護団が21日、鹿児島市で会見した。裁判のやり直しを求め、今年度内に第4次再審請求をする方針を明らかにした。
再審請求が認められるためには、無罪判決などを言い渡すべき「明白な新証拠」を示す必要がある。
会見した鴨志田祐美弁護士らによると、確定判決が「タオルによる絞殺」と認定した死因を根拠づける当時の法医学鑑定に対し、他殺性を否定する新たな法医学鑑定書を提出する考えだという。
事件当時、男性を運んだとされる人物らの供述などについて、心理学的な見地から供述の特徴や傾向を吟味する「供述心理鑑定」によって供述の信用性を争う鑑定書を、新たに提出することも検討している。
最高裁は今年6月の決定で、弁護側が提出した法医学鑑定、供述心理鑑定のいずれも証拠の「明白性」を否定。鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部が出した再審開始決定を取り消した。
事件では、原口さんの元夫(故人)ら親族4人が殺人罪などで逮捕されたが、原口さんは一貫して無罪を主張している。(井東礁)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル