札幌交響楽団のコンサートマスターでバイオリニストの大平まゆみさん(62)が20日札幌市内で会見し、全身の筋肉が徐々に衰えていく難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」であることを公表した。今月末で同楽団を退団するが、可能な限り演奏を続けていくという。
大平さんは今年3月、歌っている際にいつもより声が低くなっていることで体の異変に気付いた。4月から内科、耳鼻科、脳外科など検査を重ねたが、8月ごろからろれつが回らなくなることが続き、話をすることが難しくなった。詳しい検査の結果、今月15日にALSの告知を受けた。
「ここで少し方向転換をする時期が来たのかもしれません。この病気に遭遇して、人生のまた違った意義を考えさせられています」
20日の会見では、大平さんの思いを女性アシスタントが読み上げた。大平さんは時折目頭をハンカチで押さえながら、記者からの質問には筆談で答えた。
自分にできる小さなことを確実に形にする第一歩が病名を公表することだったといい、「こうなったのには何か意味があると思う。ALSを知ってもらうことと、患者さんたちと寄り添えることが何かできるかもしれないと考えている。弾ける間は、大好きな音楽やバイオリンの素晴らしさを伝えていきたい」と気持ちを明かした。
今のところ、話すのが難しいこ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル