大手はタワマン売っておしまい 考えたのは身の丈再開発

■ある商店街の変貌(中)

 西郷真理子さんは住民主体の街づくりに定評がある都市計画家だ。埼玉県川越市の街並み保存を手始めに、黒壁で知られる滋賀県長浜市や高松市丸亀町の商店街活性化に携わってきた。大手ディベロッパー主導の再開発とは一線を画す。「だってディベロッパーはマンションを売っておしまいでしょう。そこに住み続ける人たちが主体にならないといけません」と語る。

 小泉改革の2000年代初頭、銀行の不良債権だった塩漬けの土地を活用しようと「都市再生」が政策課題にあがった。中心的な手法が容積率の緩和だった。敷地に対する建築面積の割合を緩和することで、大きなボリュームの建物が造れる。ディベロッパーにとって容積率緩和は経済的な価値を生む打ち出の小づちだった。国土交通省出身の和泉洋人首相補佐官もその政策を主導した一人で、資産デフレ解消策として彼の工学博士論文でもある「容積率緩和型都市計画論」を提唱した。

五輪を前に東京大改造が進む。下町の商店街の変貌にその影響を3回の連載で探ります。

 国交省は同時にそれとは逆の、…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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