大阪府藤井寺市立中学校の教科書選定をめぐる贈収賄事件で、教科書会社「大日本図書」(東京)側が、各社の教科書を比較する調査委員に直接接触していたことが、捜査関係者への取材でわかった。市立中学校の西留俊春・元校長(61)=加重収賄容疑などで書類送検=は非公開の調査委員の氏名を漏洩(ろうえい)した疑いがあり、府警は同社側がこの情報を元に各教科書の評価資料を作成中の委員に接触し、教科書を売り込もうとしたとみている。
捜査2課によると、贈賄容疑で書類送検されたのは、同社の元取締役(65)と関西支社の藤井寺市担当の社員(35)。捜査関係者によると、元取締役は同市担当時に西留元校長と知り合い、新たに社員を紹介。この社員が調査委員を訪ねていたという。
西留元校長は現職で教科書の選定委員だった2020年4~6月、自校の教員だった調査委員3人の氏名や調査委員作成の資料を社員に漏洩。7月に謝礼として元取締役らから現金3万円のほか、飲食やゴルフの接待を受けた疑いがある。
同課によると、元取締役らは数学、理科、保健体育の3教科の採択を元校長に依頼。調査委作成の資料を踏まえて選定委が市教育委員会に答申した「調査概要」には、大日本図書について全3教科に推薦を意味する「◎」がつき、市教委は数学と保健体育で採択した。府警によると、元校長は選定委で同社を評価する発言をしていたという。
ある選定委員(当時)は朝日…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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