大正時代の飛騨の風景ありありと 医師が残した100枚

 大正時代の岐阜県飛驒地方の生活を記録した写真約100枚が、朝日新聞社の写真デジタル化サービス「ニッポン写真遺産」に持ち込まれた。子どもの相撲大会や祭り、川で野菜を洗う「菜洗い」などを写した白黒の世界からは、当時の暮らしの息づかいが聞こえてくる。

 写真の所有者は東京都在住の大津陽子さん(73)。祖父で医師だった佐藤彰さん(1890~1974)の遺品で、「散逸を防ぎ、記憶の風化を防ぎたい」とアルバムの一部を持ち込んだ。

ニッポン写真遺産
朝日新聞社はアルバムや古い写真をデジタル化するサービス「ニッポン写真遺産」を実施中です。中でも貴重な写真については、提供者の許可をいただいた上で、随時紙面や朝日新聞デジタルで紹介しています。

 埼玉県出身の佐藤さんが高山市の飛驒三郡立大野郡病院(現・高山赤十字病院)に赴任した1919(大正8)年以降に撮影された写真とみられる。

 相撲や野球大会、祭り、冬支度など飛驒の風景を収めた写真が多い。どこで撮影された写真なのか、大津さんの掲載許可を得て、記者が取材を始めた。

 高山市史編纂(へんさん)室の田中彰・専門員らに一部の写真について分析をお願いした。「大正時代の飛驒地方の写真はそもそも少ない。初めて見る風景も多く貴重な資料」と話す。

 佐藤さんが診療する様子もあることから、田中さんは「写真館に撮影を依頼した可能性が高いのではないか」と分析する。

 目をひくのは、躍動感のある少…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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