3日に88歳で亡くなった作家の大江健三郎さんは、反戦や護憲を訴え続けた。交流があった人たちから悼む声があがった。
大江さんは1970年に著した「沖縄ノート」で、沖縄戦で旧日本軍による集団自決命令があったと記述。元戦隊長らから名誉毀損(きそん)訴訟を起こされたが、軍の関与を認めた大阪高裁判決が2011年に確定した。
那覇市の沖縄女性史研究家の宮城晴美さん(73)は、裁判で大江さん側の証人に立った一人。集団自決があった座間味村で生まれ、生き延びた母や村民の証言を集める調査を続けてきた。08年の高裁判決が出た後、弁護士を通じて大江さんから謝礼のファクスが届いたという。「律義な人でした。住民に悲惨な記憶を思い出させ、振り回してしまったという思いが私にもありましたが、住民証言を信じ守り抜いた大江さんの信念に、私も支えられました」と振り返る。
宮城さんは今、米軍人らによ…
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