茶井祐輝
大津市で2019年、右折車と直進車がぶつかり、巻き添えで散歩中の保育園児ら16人が死傷した事故から8日で3年となるのを前に、事故で重傷を負った女児(6)の父親(34)が報道各社の代表取材にオンラインで応じた。父親は「事故現場を1日何千台もの車が通るが、何も思わない人が増えていくのは悔しい。一人でも多くのドライバーに事故を知ってほしい」と語り、事故を風化させないよう呼びかけた。
事故は19年5月8日午前10時15分ごろ、滋賀県道交差点で起きた。右折車と直進車が衝突し、直進車が歩道にいた園児らの列に突っ込み、散歩中の園児2人が死亡し、園児11人と保育士3人が重軽傷を負った。
右折車の女性(55)は自動車運転死傷処罰法違反罪(過失運転致死傷)などで禁錮4年6カ月の有罪判決が確定した。一方、直進車の女性(65)については速度超過や前方不注視がないとして、不起訴処分(嫌疑不十分)になった。
この事故で、当時3歳だった女児は左足の骨や骨盤が折れる重傷を負った。2カ月以上入院し、抱っこすらできない状態が続き、ギプスがとれたのは8週間後だった。10年間は年1回の通院を続け、診察を受けるよう言われているという。
父親は、千葉県八街市で昨年6月に飲酒運転のトラックが突っ込んで児童5人が死傷する事故が起きたことなどに言及。子どもが犠牲になる事故が後を絶たず、「大人が子どもの命を奪っている。率直に申し上げると腹が立つ感覚がある」と指摘。「ドライバーがちょっと気をつけるだけでも事故を防げる」と安全運転への意識向上を訴えた。
保育園関係者や県警幹部らは6日、事故現場で黙禱(もくとう)し、花を手向けた。園児らが通る市内の交差点計5カ所では、警察官が安全運転の徹底を呼びかけた。(茶井祐輝)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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