職員11人に新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した大津市は、本庁舎を全閉鎖した経緯や原因などがまとめられた最終報告書を公表した。感染経路は不明だったが、不十分な換気など職場環境の問題が感染リスクを高めたことなどを記している。再発防止の対応策を進める一方、登庁職員の2交代制は31日で終えるという。
報告書は、市保健所が県新型コロナウイルス感染症対策班と合同で疫学調査をした結果をまとめ、21日付で市に提出した。感染経路は究明できなかったが、執務室の換気が不十分な中で机の間隔が確保されず、同じフロアの職員が100人を超えていたことが判明。トイレや更衣室、会議室などの共用も接触感染のリスクを高めていたことなどを指摘している。
これを受けて市は「3密」(密閉、密集、密接)回避のため、業務机は職員間に2メートル以上の間隔を設けて配置するか、飛沫(ひまつ)を防ぐ段ボールなどを使った間仕切りを設ける▽就業中は全職員にマスク着用を義務づける▽午前と午後に各2回、コピー機や受付カウンターなど共用物品・共用部の消毒をする――など7項目の対策を継続して実施するという。
クラスターは4月11~20日にかけて、本庁舎の職員11人の感染で確認された。大型連休中の25日から5月6日まで、消防局などを除いて本庁舎を閉鎖。感染防止策として、4月20日から登庁職員の2交代制(当初は隔日出勤、後に隔週)を導入していた。
報告書は、本庁舎閉鎖は「(閉鎖を決めた)4月21日時点で考えられる最も有効な感染拡大防止策の一手段だと思慮される」とした。終息については全閉鎖した14日間、職員に新たな感染が確認されなかったことなどで「今月8日時点で終息していたと判断できる」と結論づけた。(寺崎省子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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