佐藤瑞季、高橋俊成
愛知県の矢作川から明治用水に水を取る施設「明治用水頭首工(とうしゅこう)」(同県豊田市)で大規模な漏水が発生した問題で、東海農政局は22日に記者会見し、農業用水について、試験的な給水を近く始める見通しを示した。最低限の農業作業をするのに必要な給水を5月中には再開する方針だ。農家の組合員で構成され、同局から頭首工の管理を委託されている明治用水土地改良区も同日、猿渡(さわたり)川(同)から仮設ポンプでの取水を始めるなど、給水再開に向けた準備を進めている。
豊田市の猿渡川と明治用水が近接する地点では、同日朝から仮設ポンプを設置するために砂袋を積んで川をせき止め、水位を上げる作業が行われた。設置された2台で取水能力は毎秒0・1立方メートルほどだという。同局も21日に大谷川(同)に仮設ポンプ2台を設置した。毎秒0・12立方メートルの取水が可能だという。
農・工業用水には最低でも毎秒8立方メートルの取水が必要だ。同局は矢作川の頭首工近くに仮設ポンプ92台(22日午後3時時点)を設置し、この地点で毎秒5・8立方メートルの取水が可能になったという。(佐藤瑞季、高橋俊成)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル