堀江泰史
愛媛県四国中央市と香川県観音寺市の県境にある大谷山(標高507メートル)で、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手から贈られたグラブのお礼を言おうという登山が25日、催された。親子連れの小学生ら約40人が参加。四国の中央で「大谷愛」を叫んだ。
参加者は午前9時に登山口近くに集合。雨と山あいに見える霧の中を約40分かけて、初心者向けのコースを歩いた。頂上では大谷選手の顔やグラブの写真を貼ったうちわを手に「おおたにさん、ありがとう。今年も頑張ってー」と米国の方向に向かって声を張り上げた。大谷山は、もともと「おおたにやま」と読むが、大谷選手の活躍を受けて昨年ごろから地元でも「おおたにさん」と呼ばれるようになった。
母と参加した四国中央市立中曽根小1年の宮崎瑞葉さん(7)は「大谷選手のグラブは、野球をしているお父さんのと同じで大きくて重かったです。今日は頑張りました」。同市立松柏小1年の岩井雄靖君(7)は「学校でグラブを使ってキャッチボールした。今日はアメリカに届くように大声を出しました」と話した。
この日の催しは、登山愛好家グループ「四国中央登山ムーブメント」が企画。代表の村上智子さん(47)は大谷山近くにある切山地区で婚活イベントを開いたり、朝市に参加したりして町おこしに関わってきた。催しが地域の活性化になればと思いつき、登山に持って行くリュックは、そのまま防災グッズにもなり、防災意識の高まりにつながればと考えたという。
切山自治会会長の参鍋(さんなべ)修一さん(74)によると、切山地区には約20世帯計約50人が住む。高齢化が進み、参鍋さんは「こうやって若い人たちが応援して来てくれることは、ほんとにありがたいことです」と話す。養鶏場を営み、この日は「大谷サンド」と名付けた手作りの卵サンドを販売し、自らも登山に参加した。(堀江泰史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル