埼玉県虐待禁止条例改正案の取り下げを自民党県議団が決めたことを受け、大野元裕知事が10日、報道陣の取材に応じ、「県民の声が県議会、とりわけ自民党県議団に届いたと理解している。撤回は歓迎したい」と述べた。
大野知事によると、10日午後2時時点で、改正案について1007件の意見が知事宛てに寄せられ、このうち反対意見は1005件、賛成は2件だった。なかには「埼玉県では子育てできない」という声もあったという。
同条例改正案は、小学3年以下の子供を自宅や車内などに放置することを禁じ、4~6年生については努力義務とする内容。4日に県議会に提出した自民県議団がその後の委員会質疑などで、子どもだけの登下校や短時間の留守番なども禁止行為にあたるとの見解を示し、批判を呼んでいた。
大野知事は「(自民から)条例案の提案までに県の執行部に意見を求められたことは一切なく、改正案の内容についての説明もなかった」と説明。自民県議団が、改正案作成のために実施したとしているパブリックコメントで寄せられた意見を公表していない点などは問題だとし、「県民の声をどのように受け止め、検討して決定したかを検証できないというのはいかがなものか。議会の信頼のためにも、後から検証可能なルールは作っておいた方がいい」との見方を示した。(西田有里、黒田壮吉)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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