大阪の医療、再び正念場 吉村知事「増床、限界近い」 

 新型コロナウイルスの感染急拡大が続く大阪府では、すぐに患者を受け入れられる軽症・中等症病床の使用率は7割に近づく。府は病床逼迫(ひっぱく)への危機感を強め、一定程度改善した人は宿泊療養施設に移ってもらう方針を示す。ただ、施設の使用率も6割となり、余裕がなくなりつつある。

 府が確保している重症病床(587床)の使用率は11日時点で22・8%、すぐに受け入れ可能な運用病床(315床)に限ると42・5%となった。より深刻な状況にあるのは軽症・中等症病床で、確保病床(2534床)の使用率は61・9%、運用病床(2341床)は67・0%にのぼる。

 府は軽症・中等症病床を3千床に増やすため、13日にも一部の医療機関に対し、強制力を伴う感染症法に基づく病床確保を要請する。しかし、吉村洋文知事は12日、「(病床の積み増しは)限界に近づいている」との認識を示した。

 そこで府が重視するのが効率的な病床運用だ。早期治療により重症化を防ぎ、入院期間を短縮し、一定程度改善した人には退院してもらう流れを想定する。吉村知事は、退院後に宿泊施設で経過観察を行う新たな体制を整える考えを示す。

 ただ、宿泊施設にも余裕があるわけではない。11日時点の宿泊療養者数は2415人で、「第4波」のピーク時の1839人を上回る。15施設4076室の使用率は59・2%となった。

 府によると、来週中にも5500室、月内に6千室まで拡充するめどが立ったが、療養者の退所後の消毒・清掃に時間がかかり、作業人材も不足しているという。府の担当者は「実際は確保部屋数の7割稼働も難しい」とする。府幹部は「対応が追いつかず、入所が翌日回しになるケースも出始めている」と話す。

 府は、入院の必要がない人は…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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