大阪の書店員らが、ほんまに読んで欲しい1冊を選ぶ「第10回大阪ほんま本大賞」に、兵庫県宝塚市出身の作家、髙田郁さんの短編集「ふるさと銀河線 軌道春秋」(双葉文庫、税別600円)が選ばれた。
表題作は、両親を亡くし、兄とふたり北海道の小さな町でくらす少女が、ふるさとへの愛と夢への思いで揺れ動く姿を描く。他にも八つの物語が収録され、苦難の中で真の生き方を追い求める人々の姿を、美しい列車の風景を織り込みながら紡いでいる。
髙田さんは、第1回の受賞作「銀二貫」(幻冬舎時代小説文庫、税別600円)に続く、2度目の受賞。特別賞には、土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」(新潮文庫、税別850円)に決まった。
大阪ほんま本大賞は、2013年に「OsakaBookOneProject」(OBOP)として始まった。関西の書店と出版取次会社の有志たちが仕事の垣根を越えて協力し、大阪に関係する小説を1冊選び、力を合わせて、大阪発のベストセラーにするという取り組み。収益の一部で、児童養護施設の子どもたちに本を贈っている。
10年間携わる取次会社、日本出版販売の久保昌弘さん(54)は、「本を贈った子どもたちのうれしそうな顔を何度も見てきました。この取り組みを続ける喜びの一つです」と話す。来年1月末まで、大賞と特別賞合わせて計5万部を売ることを目標に取り組む。(大蔦幸)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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