新型コロナウイルスの感染者が再び増え、独自基準「大阪モデル」に基づいて黄信号を点灯させた大阪府は12日、対策本部会議を開いた。若者の感染が広がっているとして、感染症対策を取っていないバー、キャバクラ、ホストクラブなどの利用自粛を府民に呼びかけた。
具体的には、①3密で唾液(だえき)が飛び交う環境を避ける②ガイドラインの順守などを示す感染防止宣言ステッカーのないバー、キャバクラ、ホストクラブなど「夜の街」の店の利用を自粛する③高齢者や基礎疾患のある人は感染リスクの高い環境を避ける――の3点を呼びかけた。新型コロナ対応の特別措置法29条に基づく協力要請で、黄信号が点灯している間は7月末までを期間とする。
府が懸念するのは夜の繁華街で「どんちゃん騒ぎ」(吉村洋文知事)する若者を通じた感染だ。6月14日から7月11日の感染者計209人を分析したところ、3割強の70人が大阪・ミナミのクラスター(感染者集団)など「夜の街」関連のものだった。また、全体の78%が18歳以上30代以下だった。
このため、府は週内に大阪・ミナミに、臨時のPCR検査の検体採取場を設置する。吉村知事は「(ミナミの検査場では)無症状でも検査すべきだ」との考えを示した。
一方、②の利用自粛の判断に使われる府が感染防止対策を取った店に発行するステッカーの利用は4千件ほどにとどまっており、周知を図っていく。吉村知事は12日の対策本部会議で、「東京でも感染者は連日200人を超えてており、夜の街の影響が大きい。大阪も傾向が似ているので、早い段階で注意喚起を呼びかけたい」と話した。(増田勇介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル