大阪府は首都圏のようには新規感染者が急拡大していないとして、緊急事態宣言発出の要請は見送った。しかし、重症患者は過去最多を更新し、医療体制の逼迫(ひっぱく)は続く。吉村洋文知事は4日の府職員向けの年頭あいさつで「いつ感染拡大がおこるか分からない」と述べた。緊急事態宣言の対象地域への往来自粛を、府民に求める考えも示した。
府内での新規感染者数はやや減少傾向にあるが、重症患者は4日に過去最多の171人となった。府が年末の対策本部会議で示した試算よりも多い。236床ある確保病床の使用率は72・5%、208床あるすぐに患者を受け入れられる病床の使用率は82・2%と病床の逼迫も続いている。陽性者の割合を示す陽性率も高い。吉村知事は記者団に「東京と大阪の(感染状況の)傾向は似ている。放っておけば必ず東京と同じように拡大する」とした。
府は大阪市内の居酒屋などに、11日まで営業時間を午後9時までに短縮するよう求めている。これについて大阪市の松井一郎市長は4日、「ブレーキを緩めて経済を回さないと店は成り立たない」と述べ、12日以降はより遅くまで営業できるようにするべきだとの考えを示した。府は8日に対策本部会議を開き、松井市長の意見も参考に時短対応を決める。(多鹿ちなみ)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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