新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、大阪府の吉村洋文知事は19日午前、緊急事態宣言を出すよう政府に要請すると表明した。まん延防止等重点措置の適用から同日で2週間経つが、感染拡大に歯止めがかからないため、宣言に基づく休業要請などのより強い対策を講じる必要があると判断した。20日の府対策本部会議で正式に決定する。
吉村知事は19日、「感染と医療提供体制の危機的な状況を考え合わせ、緊急事態宣言を要請するべきだと判断した。人の動きを止める強い措置を集中して講じることが重要だ」と記者団に語った。宣言下での対応については、「百貨店やテーマパーク、ショッピングモールなど広範囲の休業要請が必要」との考えを示している。
府内には5日から重点措置が適用され、府は飲食店などでの午後8~9時の営業時間短縮や、不要不急の外出自粛の徹底を呼びかけた。だが、18日の新規感染者数は、減少傾向にある日曜日にもかかわらず、過去最多の1220人だった。
18日時点で、府が確保する重症病床(248床)に入院中の患者は244人で、軽症・中等症病床で治療を続ける重症患者42人を合わせると、重症病床の使用率は実質100%を超える。軽症・中等症病床(1781床)の使用率も77・9%に達する。
府は重症病床の確保に向け、府内の医療機関への要請を強める。また、国や滋賀県に看護師の派遣を要請し、滋賀県とは患者の受け入れについても協議を進めている。軽症・中等症病床については、感染症法に基づく病床確保を医療機関に要請し、約1100床増やしたい考えだ。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル