大阪府熊取町で平成30年12月、ガレージに放火し隣接する住宅に住む高齢夫婦を死亡させたとして、現住建造物等放火や重過失致死などの罪に問われた住所不定、無職、谷口正一被告(69)の裁判員裁判の判決公判が8日、大阪地裁で開かれ、中川綾子裁判長は「取り返しのつかない重大な結果を招き、刑事責任は誠に重い」として求刑通り懲役16年を言い渡した。 弁護側は公判で、放火行為は認めるが、住宅に燃え移るかもしれないという認識は被告になかったと主張。これに対し、中川裁判長は判決理由で「住宅に近い場所で火をつけ、さらに可燃物をくべて炎を大きくしていた」と故意性を認め、危険性の高い行為と指弾した。動機については、ホームレス生活を送っていた被告が鬱憤(うっぷん)を晴らす目的があったとみられると指摘する一方、「人の住んでいる住宅への放火は許されるはずがない」と述べた。 判決によると、30年12月5日深夜、同府熊取町の佐々木良雄さん=当時(80)=方のガレージで可燃物に放火。木造平屋建ての住宅に燃え移らせ、良雄さんと妻の勝子さん=同(74)=を一酸化炭素中毒などで死亡させた。
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