視覚障害のある受刑者に対し、ルーペの使用を認めなかったのは著しい人権侵害にあたるとして、大阪弁護士会は27日、大阪刑務所に適切な対応を強く求める「警告」を行ったと発表した。警告は25日付。
警告書によると、使用が認められなかったのは40代の男性受刑者。視力が0・01以下の重度の弱視だったが、2021年11月、私物のルーペの使用を刑務所が認めず、人権救済を申し立てた。同弁護士会は刑務所の対応について、憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活を送る権利」などの不当な侵害で、障害者に対する差別的な取り扱いにも当たると指摘した。男性はすでに出所している。
刑務所側は不許可とした理由として、ルーペに付いた金属を使った自傷行為や、レンズに太陽光を当てて発火させる危険性などを挙げたが、警告書は「使用場所や時間を管理すれば避けられる」とし、認めるよう求めた。
男性受刑者は15年にもルーペの使用が認められず、同弁護士会は17年12月、大阪刑務所に改善を求める勧告を出しており、今回はより厳しい警告となったという。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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