「大阪市歌は廃止されるのでしょうか」。悩みや疑問をSNSで募る「#ニュース4U」取材班に、「大阪都構想」に絡んだ質問が届いた。大阪市を四つの特別区に再編する都構想が実現すると、大阪市は廃止されるが、市の歌はどうなるのか。各地の自治体合併の時を調べると、様々なケースがあった。
高津の宮の昔より よよの栄を重ねきて――
午前9時。大阪市北区中之島1丁目にある市役所本庁舎では毎日、市歌のメロディーが館内放送で流れる。「ずっと聞き続けてきた。『今日も仕事が始まる』と感じる1日のリズムの一つになっている」と、入庁20年ほどで現在は政策企画室の山口勝彦(まさとし)さん(46)は言う。
市立小中高校の入学式や卒業式といった式典で流すほか、音楽の授業で練習する学校もある。成人式で市歌を流す区もある。
市によると、市歌の制定は1921年。中之島の市庁舎建設を記念して歌詞が公募された。審査員には森鷗外や幸田露伴ら5人が名を連ね、全国から2398編の歌詞が集まった。
選ばれたのは香川県の旧制三豊中学校の校長だった堀沢周安(ちかやす)の歌詞。曲は東京音楽学校(現東京芸術大)の助教授だった中田章(あきら)が作った。大阪市中央区の高津宮(こうづぐう)には歌詞を刻んだ石碑がある。90年に建てられた。
市歌制定からまもなく100年。大阪市が廃止されたらどうなるのか。
「市歌についてこれまで議論さ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル