久保田侑暉
新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、大阪府の吉村洋文知事は24日、府の独自基準「大阪モデル」に基づいて「非常事態」を示す赤信号を同日点灯すると発表した。府が確保する病床全体(3734床)の使用率が非常事態の目安の50%に達する見通しとなったため判断した。感染者のうち入院している人の割合を示す「入院率」は23日時点で、3・7%まで低下した。
吉村知事は記者団の取材に応じ、「オミクロン株急拡大による非常事態」を宣言した。コロナ病床の逼迫に加え、一般医療との両立が困難になる恐れがあるとした。
大阪市内の国際展示場に設置している「大阪コロナ大規模医療・療養センター」(1千床)を1週間以内に開設することも明かした。医療機関や宿泊療養施設で感染者を受け入れきれない「災害級」の状況に備えて整備しており、自宅療養者が2万人を超えるなかで「一時避難」の場として運用を始めるという。
政府は25日に大阪、兵庫、京都3府県などへの「まん延防止等重点措置」の適用を決定する方針だが、大阪府は緊急事態宣言の要請も視野に入る状況となった。
府は8日から大阪モデルで「警戒」を呼びかける黄信号を点灯しており、感染急拡大に伴って赤信号に移行する。23日の確保病床の使用率は47・8%となり、1週間前より20・7ポイント上昇した。内訳は軽症中等症病床(3122床)が56・4%、重症病床(612床)が3・8%。
府は21日、軽症中等症病床について最も深刻な「フェーズ5(災害級非常事態)」に移行し、確保病床3122床すべてで患者をすぐに受け入れられる態勢をとるよう医療機関に要請したが、看護師の配置などが整うまでには2週間程度かかる。軽症中等症病床のうち患者をすぐに受け入れられるのは23日時点で2617床で、使用率は67・3%にのぼる。
府は7日、入院は「中等症以上」「65歳以上で重症化リスクがあり、発熱が続くなどの症状がある人」などに限定する方針を打ち出した。今月中旬以降の感染者急増に伴い、23日時点の入院患者は1785人、宿泊療養者は2700人、自宅療養者は2万4195人、入院・療養先調整中は1万9357人で、入院率は3・7%となった。(久保田侑暉)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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