久保田侑暉
大阪府は13日、新型コロナウイルス患者の療養方針について、宿泊療養施設への入所は40歳以上やリスクのある人に限定すると発表した。入院対象者も中等症以上か重症化リスクのある人に制限する。感染が拡大し、療養体制にも余裕がなくなってきたため、基準を設けることになった。
府の12日時点の宿泊療養者数は2520人で、4148室の使用率は60・8%。療養者の退所後の消毒・清掃に時間がかかるため、「実際は確保部屋数の7割稼働も難しい」(府の担当者)といい、余裕がなくなりつつある。病床使用率も、重症病床は22%だが、軽症中等症病床は64%にのぼる。
これまで府は入院の必要ない患者は原則全員を宿泊療養としていたが、40歳以上に絞って入所させる。無症状でも65歳以上は原則入院としてきたが、入院基準も変える。府は、比較的リスクの高い人を優先的に入院させ、早期治療をすることで重症化や入院の長期化を防ぎたい考えだ。
入院患者や宿泊療養施設の利用を制限することで、自宅療養者の増加が見込まれる。府は自宅療養をしている患者が地域の病院で受診できる仕組みを設けるなどの体制を整える方針。吉村洋文知事は「感染が拡大するなら、(入院や宿泊療養の)最適化を図っていかないといけない」と話す。
また、感染者の急増を受け、府は入院先が見つからない患者を一時的に待機させる「入院患者待機ステーション」を13日に再開させた。(久保田侑暉)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル