大阪府の吉村洋文知事は9日、新型コロナウイルス対策強化として、感染症の専門家らでつくる会議を新たに立ち上げ、12日に初会合を開く方針を表明した。「医療崩壊」回避のため、入院や治療の優先順位の基準を明確化するほか、本格的な経済活動を目指し、府主催行事を再開するかどうかの判断基準も独自に策定する。週内に開く府の対策本部で正式に決める。
新たな会議は吉村氏や松井一郎大阪市長をはじめ府市の幹部と、府内の保健所職員らで構成。座長に大阪大大学院の朝野(ともの)和典教授(感染制御学)が就く。
入院基準は、症状の程度や基礎疾患の有無などに基づき、重症者から優先度の高い対象者とする。無症状や軽症が多い中で陽性となった感染者を全員入院させ続ければ、専門治療が必要な重症者に対応する医療態勢を確保できなくなるとの懸念があるためだ。
一方、府主催のイベントは今月20日まで中止か延期としており、2月20日から今月9日までに対象となった行事は約400件に上る。府所有の屋内施設も20日まで原則休館としている。
専門家会議ではイベントや営業の自粛を解除する基準をつくる上で、感染拡大のリスクを見極めるため、大阪市内のライブハウスで発生した集団感染についても議論する見通し。
吉村氏は府庁で記者団に「(イベントなどを)みんなが自粛しすぎたら経済が死んでしまう。効果的な対策をしながら社会生活を元に戻していく。合わせて救うべき人を救う入院基準をきちんと作る」と述べた。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース