大阪府は2日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、15日時点の府内の感染状況をもとに、民間事業者に出している休業要請や外出自粛要請を緩和できるか判断する方針を決めた。政府が4日に示す見通しの経済再開に向けた指針や専門家の意見を踏まえ、5日の対策本部会議で、段階的な要請解除のための府独自の基準「大阪モデル」を決定する。緩和する場合は16日から適用となる見通し。
会議では、感染拡大防止のため緊急事態宣言が7日以降も延長された場合、府として現在の休業要請などの措置を継続することを確認した。
吉村洋文知事は会議後の記者会見で、要請の緩和に向けて「医療崩壊を起こさないことをポイントにしたい」と強調した。
緩和の検討に用いる指標は、病床使用率や陽性率などを想定。府によると1日現在、府内の病床使用率は重症者向けで32・4%。軽症・中等症の患者向けで43・9%となっている。
府は医療崩壊を防ぐための「警戒水域」を重症50%以上、軽症・中等症で60%程度とする方向で検討しており、現状の割合で推移すれば安定的な入院医療の提供は可能とみている。
吉村氏は、緩和対象の店などの施設については、「集団感染が発生しやすい業種や事業形態などもわかっている。(感染拡大の)危険性を考えながら専門家と決めていきたい」と説明。緩和する際は、飲食店での一定距離を保った配席など業態に合わせた感染防止策の指針を事業者側に示す考えを明らかにした。吉村氏は「感染者数を広げないために一人ひとりの行動変容が大事だ」と述べた。
一方、学校再開については、4日にも示される国の指針を踏まえて、休校措置が明ける11日以降をどうするか5日に判断する方針を示した。
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新型コロナウイルスの感染拡大防止のため事業者に出している休業要請などを段階的に解除するため、大阪府は2日、独自の判断基準「大阪モデル」を5日に決定する方針を示した。スピード感を重視する吉村洋文知事は国に先んじて出口戦略の必要性を強調する一方、国の指針の枠内での運用を求められ、政府との間で綱引きも繰り広げた。
「国が出口戦略を示せば従うが、そうでないなら地方がつくったものを尊重できる方向にしてほしい」。吉村氏は2日、西村康稔経済再生担当相らとのテレビ会議でこう訴えた。
西村氏は「知事にできるだけの裁量をもってやってもらいたい」と理解を示したが、国と地方の根幹的な議論が必要だとクギを刺すことも忘れなかった。
現行法上、都道府県知事が新型コロナウイルス対策を講じるにあたっては、国との調整が不可欠になっている。
吉村氏はテレビ会議後の記者会見で、政府が4日に経済活動再開の指針を示すことを念頭に「4日に国の方向性が出れば調整し、それを踏まえて5日に最終決定をしたい」と述べた。
緊急事態宣言の延長を想定し、15日に休業要請を緩和できるか判断するとしたのは「出口が見えないトンネルほどつらいものはない」との考えからだ。吉村氏は会見でこう訴えた。
「中小零細企業は債務がどんどん増えて、一日一日が死活問題になっている。出口はここだと示さなければ、あまりにも酷だ」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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