大阪府の吉村洋文知事は26日の定例会見で、府所蔵の美術作品105点を2017年から府咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)の地下駐車場で保管していたことを明らかにした。府は不適切だったとして、美術の専門家らのチームを立ち上げ、管理場所の変更や美術館などでの展示を考える。
府文化課によると、保管していたのはいずれも現代美術作品で、鉄や木材などを組み合わせた大型のものが多い。評価額は計約2億2千万円。1980年代に新たな美術館の建設構想が浮上したことから、府が集めてきた「大阪府20世紀美術コレクション」(約7900点)の一部だ。
その後、府の財政危機で美術館構想は立ち消えになり、大半は府の文化施設などで保管・展示。それら以外の105点を15年から咲洲庁舎の10階事務室で保管したが、行財政改革の一環で庁舎内への民間施設の入居が進み、置き場所がなくなった。民間の倉庫などを借りると年数千万円の保管料がかかることから、17年から地下駐車場で保管すると決めたという。
作品の置き場と通路はフェンスで隔てられているが、梱包(こんぽう)されずにビニールで覆っただけの作品もある。ただ、目立った被害はなかったとしている。吉村知事は数日前に事態を把握したといい、「思いを持ってつくられた方へのリスペクトが大切だ。管理方法として不適切だった」と話した。(岡純太郎、箱谷真司)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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