大阪府の高校授業料「完全無償化」、公費負担増へ　私学側は「評価」

　大阪府が打ち出している高校授業料の「完全無償化」案で、吉村洋文知事は4日、公費でまかなう授業料の上限を3万円増の年63万円（生徒1人当たり）に引き上げると明らかにした。従来案には私立校から学校側の負担増を懸念する声があがっていた。大阪の私立中高の団体はこの日、引き上げを「評価」し、近く知事と面談して制度参加について判断するとした。

　吉村知事が、報道陣の取材に対して引き上げ案を説明した。府の試算によると、上限額にあたる「標準授業料」を年63万円にした場合、私立校全体の負担額が現行の約9・5億円から約7・9億円に減るという。

　府は、私立高校への運営費補助金にあたる経常費助成も、現行の年32万5500円（生徒1人当たり）から2026年度までに2万円程度を段階的に上積みする。吉村知事は「教育の質を上げつつ、完全無償化を実現する。私学団体に提案して、府の最終案をまとめていきたい」とした。

　現行の府の無償化制度は、年…