27日夜に記者会見した大阪府の吉村洋文知事は、感染者数の急増と陽性率の上昇に言及し、「市中感染の兆候」が出ていることに危機感を示した。爆発的な感染拡大を抑えるため、外出自粛要請への協力を重ねて訴えたが、「不要不急」の基準が曖昧なため、府民から戸惑いの声も出ている。
「感染者が増え、陽性率も上がり、警戒すべき時期だと判断した」。吉村氏はこの日夜の記者会見でこう強調した。
これまでの1日あたりの最多感染者数は、今月10日に確認された18人。うちクラスター(小規模な集団感染)が発生した大阪市内のライブハウスの訪問者や、訪問者との濃厚接触者らが9人に上った。
吉村氏は「(10日の)18人のうち半数のリンクが追えていた。今回は(20人のうち)18人が追えていない」として市中感染の兆候に触れ、「爆発的な感染拡大にならないよう抑えたい」と訴えた。
陽性率もおおむね10%未満だった17~26日と比べ、この日は14・4%に跳ね上がった。吉村氏は20~22日に大阪-兵庫間の往来自粛を求めた先週末から「フェーズ(局面)が進んでいる」との認識を示した。
吉村氏は「不要不急」の目安として「ずっと家に閉じ籠もって、という趣旨ではない。友達と遊んだり外食したりということは、できるだけ控えてほしい」と説明したが、府民からは戸惑いの声が聞かれる。大阪市北区の女性会社員(42)は、「28日も会社に出勤しなくてはいけない。もっと早く要請していれば対応できたかもしれないのに」と不満をあらわにした。
一方、大阪市浪速区の女性会社員(59)は「感染拡大を防ぐ重大局面なので、当然の措置だ」と理解を示したが、「子供は休校が続き、ストレスがたまってかわいそう。行動範囲や対象者を具体化して要請すべきでは」と話した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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