大阪都構想は現在、大阪市を4つの特別区に再編する案を軸に議論されている。公明党は制度設計に際し、住民サービスの水準維持や移行費用の抑制を要望。大阪維新の会はこうした公明側の意向に配慮し、特別区の財源配分や初期コストの大部分を占める庁舎整備で修正の余地がないか、改めて協議していく方針だ。
都構想は、府市それぞれが描く成長戦略や、インフラ整備といった広域行政を府に一元化したうえ、教育・福祉など身近な住民サービスは特別区に委ねる制度改革案。いわゆる「二重行政」の弊害をなくすことが最大の目的で、平成27年5月の前回住民投票では5区への再編案が諮られ、僅差で否決された。
半年後の知事・市長のダブル選を制した維新は「バージョンアップ」を掲げ、府市の事務局に新たな制度案づくりを指示。制度設計を話し合う法定協議会では4~6区に再編する4つの素案が示され、維新主導で4区案に収斂(しゅうれん)した。
公明内には、1区あたりの人口規模が60~75万人になることについて「住民に身近な自治体からは遠い」と、区数や区割りの見直しを求める声が強かった。
これに対し、維新は特別区間の経済格差が前回投票時の主な反対理由となっていたことから4区案が財政面で最適だとしており、区割りは現状案が採用される可能性が高い。
一方、新設すれば最大約640億円と試算される庁舎整備については、より柔軟に議論に応じる構え。現行施設の活用や、民間との共同整備も検討に上がる。
また、住民サービスの維持は素案ですでに明記されているが、公明の要望を踏まえ、府と特別区の財源配分について、特別区に厚くする方向で見直していくことが考えられる。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
Leave a Comment