大阪都構想 接戦、悩んだ有権者 投開票の1日(産経新聞)

 大阪都構想の賛否を問う住民投票は1日、2度目の審判の日を迎えた。「大阪を前に進める」「後悔しても戻れない」。新型コロナウイルス禍が続く中、賛否は真っ二つに割れ、有権者は悩みながら票を投じた。大阪市民や各党、関係者らの動きを追った。  7・00 開門前から20人以上の長い列ができていた中央区の投票所。一番乗りした男性会社員(27)は「住民サービスが良くなるようだし、都構想には期待が持てる」。無職男性(85)は「前回も反対だったし、今の状況を変えたくない。慣れ親しんできた大阪市のままでいい」と語気を強めた。  9・10 自民党市議団の北野妙子幹事長は地元・淀川区で「住民サービス維持のため反対を」と訴えた。反対票を投じたという無職男性(80)は「二重行政は話し合いで解決できると思う。大金をかけてやる必要はない」と話した。  11・30 人口増が続く西区の公園。5歳の長男と訪れた近くの主婦(39)は「賛成に投じた。今の大阪は間違いなく成長している。大阪維新の会を信じている」。大阪市と隣接する大阪府豊中市の主婦(40)は「仮に賛成多数となれば、豊中市にどのような影響が出るのか気になる」と述べた。  12・05 南海難波駅前(大阪市中央区)では、大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長と代表代行の吉村洋文大阪府知事がマイクを握った。「都構想で大阪の未来をつくる」「二重行政を解消し、市民の声が届く仕組みを」と叫ぶと聴衆から拍手が起きた。西淀川区の男性会社員(58)は「この10年で大阪はずいぶんと活気づいた。大阪の未来をより前に進めるため、賛成に票を投じる」と力を込めた。  13・00 共産党市議団の山中智子団長は城東区内で演説。「特別区になれば半人前の自治体に成り下がる。どんなに後悔しても元に戻す法律はない」などと通行人に呼びかけた。ビラを受け取り、真剣な表情で読み込む有権者もいた。  15・00 古くからの住宅街が広がる一方、近年は住民の高齢化などが課題の港区。年金で暮らす元会社員の男性(73)は特別区に移行した場合、港区が新たに淀川区となることに「違和感がある。淀川以北の3区とはもともと生活圏が違う」と述べ、反対したと明かした。  16・30 日本最大級の日雇い労働者の街として知られるあいりん地区を抱える西成区。反対票を投じた男性公務員(48)は「(議論に)まったくつかみどころがなく、争点が見えてこない」と話した。  18・00 住之江区の投票所では男性会社員(44)が賛成票を投じた。維新の首長らのかじ取りを振り返り、「大阪が以前よりはよくなっていると感じるし、実績も積んでいる」  20・00 投票が締め切られる。報道機関の出口調査では賛否が拮抗(きっこう)する。  21・00 開票作業が開始。関係者が固唾をのんで行方を見守る。  22・55 「反対多数」が確実に。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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