大阪府議会は24日、大阪市が権限をもつ都市計画などの事務を大阪府に委託する広域行政の一元化条例について、大阪維新の会と公明党などによる賛成多数で可決した。大阪市議会でも26日に成立し、4月1日に施行される見通し。条例は、昨年11月の住民投票で否決された大阪都構想の代案として維新が掲げていた。
府によると、全国の政令指定市で主要な事務を道府県に委託するのは初めて。
条例は、昨年11月の2度目の住民投票で都構想が否決された直後に維新が打ち出した。都構想では、二重行政の解消に向けて大阪市を廃止して四つの独立した自治体「特別区」に再編し、広域行政の権限を府に一元化しようとした。条例は、市が担っている成長戦略や都市計画に関する事務の一部を府に委託。都構想の簡易版といえる内容だ。
今回の条例に基づいて府と市が協議する場として「副首都推進本部会議」を設置する。知事が本部長、市長が副本部長で、「議論を尽くして合意に努める」とする。
維新は府議会で過半数を持つが市議会では得ていないため、条例成立に向けて、都構想に賛成した公明党の賛同を取り付ける必要があった。このため、公明の要望を全面的に受け入れ、「府と市は対等の立場」と明記するなど条例を修正した。自民党や共産党は「地方分権の流れに逆行する」「住民投票で示された民意に反する」として条例に反対した。(笹川翔平)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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