共同会見という形にこだわったのは、4月の統一地方選で圧勝した大阪維新だった。公明党とはかつて合意書面を交わしながら、解釈論争の末に反故(ほご)にされた、という思いがある。「テレビの向こう、記事の向こうにいる皆さんに証人として立ち会ってもらう」(維新の松井一郎代表)
カメラの前に引き出された格好の公明は、従来の都構想反対から賛成へ百八十度の方針転換を表明した。支持者や地元議員の不満は重々承知しながら、次期衆院選での維新との対立だけは回避する必要があった。夏の衆参同日選の臆測が飛ぶ中、双方が胸に不信を宿しながら、駆け込むように会見に至った。
今回の両党の合意は、こうした政局的観点からなされた妥協といえ、大阪の未来の具体像について一致したわけではない。制度案を話し合う法定協議会は3月から休止しており、具体的な制度設計は、まさにこれからが正念場だ。
6月にも再開される見通しの法定協では、維新の委員が過半数を占めるとみられ、推進一辺倒で進む危惧もある。“生煮え”の制度案が住民投票にかけられることになれば、それは維新だけではなく公明の問題でもある。従来の批判的な視点まで放棄することなく、議論を深める責任がある。(有川真理)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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