新谷千布美
大阪府と大阪市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の建設予定地について、大阪市の松井一郎市長は20日、土壌汚染や液状化の対策費として約800億円かかると明かした。2020年代後半としていた開業時期は29年になるとの見通しも示した。記者団の取材に応じた。
IRの建設予定地は同市此花区の人工島・夢洲の北側約49ヘクタール。市の所有地で、事業者に長期間貸し出す。府と市は9月、公募に唯一応じていた米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの連合体を事業者に選んだと発表した。
MGM・オリックスが昨年実施したボーリング調査で、液状化の可能性があることが判明。府と市が昨年行った土壌調査では、国の基準を超えるヒ素やフッ素が検出された。
府と市は3月に事業者を追加募集する際、募集要項に土壌汚染などの対策費について「大阪市が増加負担のうち妥当と認める額を負担する」と明記。松井氏も20日、「地盤改良や土壌汚染対策は、土地所有者である大阪市の責任としてやっていく」と述べ、市の特別会計「港営事業会計」から約800億円の対策費を支出する考えを示した。
MGM・オリックスの提案概要によると、初期投資額は1兆800億円。開業当初はカジノに加え、最大6千人超が利用できる会議室、展示面積2万平方メートルの施設、2500室の宿泊施設などを設け、段階的に拡大する計画だ。府と市は事業者の提案をもとに整備計画を策定し、来年4月までに国に提出する予定。(新谷千布美)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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