杉山匡史
台風9号に伴う大雨で8月9日、冠水した島根県出雲市大社町のアンダーパスに90代の男性が運転する軽自動車が進入し、動けなくなる事故があった。目撃した後続の運転手2人が警察官と一緒に救助し、出雲署は31日、同市白枝町の会社員中野剛さん(38)に人命救助で感謝状を贈った。
署によると、中野さんは午前10時35分ごろ、同市内の建設現場に向かう途中、一畑電車の線路下を通る道路で事故を目撃。すぐに110番通報し、通りかかった男性と別の現場から駆けつけた署員との3人で、腰付近まで水につかりながら、運転席の男性を抱えるように助け出した。大雨が降りしきる中、水かさはどんどん増して男性の胸あたりまで上がり、水圧でドアが開けにくかったが力を合わせたという。
中野さんの車には妻真子(まこ)さん(28)、長男陽(ひなた)ちゃん(1)が同乗。無事に救助された男性が暖を取れるよう、車内にあった真子さんのブランケットを渡すと、お礼を言われたという。
署であった感謝状の贈呈式で、中野さんは「自分の家族も助けられることがあるかもしれないと思って夢中だった。無事でよかった」、真子さんは「かっこよかった」と話した。
松本好尚署長は「複数での対応や機転を利かした迅速な通報は立派で感謝している」とねぎらった。救助に協力したもう1人の男性も探しているという。(杉山匡史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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