中島健、中沢絢乃
昨年7月の豪雨で甚大な被害に見舞われた天ケ瀬温泉街(大分県日田市)で、氾濫(はんらん)した玖珠(くす)川の濁流にのまれ、一部流失した朱色のつり橋(約50メートル)が約1年ぶりに架け替えられ、24日、お披露目された。被災から間もなく1年。川べりの旅館や店舗のほとんどは今も再開できないままだが、地元の人は「温泉街の復興の第一歩になって欲しい」と願う。
つり橋は1950年代、筑後川の支流・玖珠川の右岸に立つ「天ケ瀬観光ホテル成天閣(せいてんかく)」が、フロント前から対岸へ架けた。以来、河川敷の共同露天風呂とともに温泉街のシンボル的存在となってきた。だが、昨年7月7日の豪雨で氾濫した濁流と流木に巻き込まれ、橋桁の一部や踏み板が流失。ワイヤだけでかろうじてつながる無残な姿となっていた。
「自力での架け替えは難しい」。成天閣の古賀信寿(のぶひさ)社長(44)はそう考えていた。だが、つり橋を懐かしむ声が常連客らから寄せられた。再建方法を模索し、豪雨で被災した事業者の施設復旧を支援する「なりわい再建補助金」を申請。全額が認められ、2月、架け替えに着手していた。
この日、古賀社長と妻でおか…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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