2019年6月は各地で梅雨入りが発表され、関東などでは雨の日が続き、記録的な日照不足となりました。
一般的に梅雨時期は少しの前線の上下によりコロコロと天気が変わってしまうという、特に予想が難しい季節とされていますが、2019年6月のウェザーニュースの予報精度は89.5%となりました。
2019年6月の精度実績を、ウェザーニュース予報精度改善チームの気象予報士 宇野沢が解説します。
6月の予報精度は“89.5%”
※訂正報告 前回発表の記事の予報精度の数値について、誤りがございましたので、訂正し、お詫びいたします。このため再計算を行い1月からの検証結果全てを修正しました。(2019年7月29日)
1995年の「天気予報の自由化」以降、予報を出す会社が独自に、天気や気温の予想を出すことができるようになりました。そのため、さまざまなアプリやサイトによって、同じ日の同じ場所でも天気予報が違っています。
ウェザーニュースでは、精度の高い天気予報を提供するため、日々予報精度の改善に取り組み続けています。
2019年6月のウェザーニュースの予報精度は89.5%となりました。2019年1月~6月を合わせた数字では90%となっています。
※ここで扱う予報精度は、気象庁の評価方法に準拠した「降水捕捉率」を指しており、朝5時に発表された当日の天気マークを対象としています。
対象地点はアメダス1300箇所で、1日の積算降水量が1mm以上となった場合を「降水あり」としています。
また、気象庁も同様に、発表した予報に対して評価を行っており、ホームページ上で一般に公開しています。
ウェザーニュースの雨予報に対するスタンス
先ほど「アプリやサイトで予報を出す会社が独自に、天気などの予想を出すことができる」と書きましたが、ウェザーニュースではどのような(どのくらいの強さの)雨が降る際に、雨予報を出しているのかをお話します。
アプリ会員の天気報告により現地にいる人が雨と感じる状況を把握
ウェザーニュースでは、【より一般の方の感覚に近い天気予報を出せるように】努めて参りました。
「現地の天気は、現地にいる方が一番わかる」というコンセプトのもと、アプリ会員の方からの天気報告・現地の空の写真(ウェザーリポート)をいただき、それを予報に反映しながら、天気予報を作成・発表しています。
このような取り組みを行うことにより、雨雲レーダーや雨量計などではわからないけれども、現地からの報告により実際には雨が降っているという事例がいくつもありました。
そのため、1時間に1mmに満たない弱い雨でも、【現地で“雨が降っている”と感じる降り方の雨になると予想すれば、雨予報をお伝えしていく】ことにしています。
この“弱い雨”が実際にどのくらいあるのか、観測項目に「感雨」がある、気象台・気象観測所・測候所の計152地点を調査したところ、2019年6月は、1mm未満(0.5mmまたは、それより弱い「感雨」)しか雨を観測していない割合は、雨を観測した数全体の約40%もありました。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース