天皇陛下は23日、60歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、東京・元赤坂の赤坂御所で記者会見し「象徴としての私の道は始まってまだ間もない」とした上で「責務を果たすべくなお一層努めてまいりたい」との決意を示された。陛下が昨年5月の即位後、会見に臨まれたのは初めて。
陛下は即位日に行われた諸儀式に際し「我が身が担う重責に思いを致し、身の引き締まる思いがし、厳粛な気持ち」になったとご回想。即位後の約10カ月は「天皇の一つ一つの公務の重み」を感じたと振り返られた。国内外からの祝福には「お一人お一人の声に支えられて今日を迎えることができている」と謝意を述べられた。
国民に寄り添うことを軸とした象徴天皇像を模索する一方、社会の変化に「対応した務めを考え、行動していくことは大切なことであり、その時代の皇室の役割」とも指摘された。譲位の意義や、安定的な皇位継承のあり方に関する質問には「言及することは控えたい」と明言を避けられた。
還暦を迎えたことは「もう還暦ではなく、まだ還暦という思い」とご表現。60年を振り返る中、昭和39年の東京五輪が「初めての世界との出会い」だったとし「世界の平和を切に願う気持ちの元となっている」と明かされた。また、阪神大震災、東日本大震災などは「忘れることのできない記憶」とし、「被災地に長く心を寄せていきたい」と誓われた。昨今の新型コロナウイルスの感染拡大にも触れ、早期収束を願われた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース